日々是英文解釈

【日々是英文解釈】英文を前から理解しよう!

日々是英文解釈 No.8

大学入試問題やTOEIC等で出てくる英文をほぼ毎日1文ずつ解説していきます。
英語の学習において、「文法はある程度理解しているけど英文が読めない」ということはよくあります。
英文を読むためには、英文を読むための英文法の使い方を学ぶ必要があります。

また小学校や中学校では、英文を後ろから返って読むように教わったりします。
しかし、それでは時間がかかってしまいます。
基本的に、英文は前から一度読んで内容を理解できることが大事です。
前から読んで理解できるように、よくでてくる英文を毎日一文ずつ解説していきます。

是非毎日覗いてみてください。

  • 次の英文を訳しなさい。
    Before then, hearing someone talk was exclusively a live experience: you had to be listening as the sounds emerged from the speaker’s mouth. We can read the text of great speeches that predate the phonograph, like Abraham Lincoln’s Gettysburg Address, but how exactly the president delivered the lines is lost forever.

この問題は、2019年の大阪大学の入試問題の一部です。

間接疑問文

今回の問題を解くポイントは、間接疑問文です。
次の例文を見てください。

<例文1>
(1) How much is this pen?
(このペンはいくらですか?)
(2) I don’t know that?
(そのことを知っていますか?)

<例文1>では、(1)でペンがいくらかを聞き、(2)でそのことを知らないと言っています。
これを一文で表したのが<例文2>です。

<例文2>
I don’t know how much this pen is.
(このペンがいくらか私は知りません。)

ではどうやって<例文2>が作られているかみてみましょう。

① 疑問文を肯定文の語順にする
まずつなげる疑問文の語順を肯定文の語順にします。

② 疑問文を主語、目的語、補語の場所に置く
間接疑問文は名詞節として働くので、主語、目的語、補語の位置に置くことが出来ます。

今回の問題の訳し方と解答

今回の問題のBefore~Addressまでについては、ここまで3回に分けて書きました。
Before~experience:日々是英文解釈 No.5
you~mouth:日々是英文解釈 No.6
We~Address:日々是英文解釈 No.7
今回は、but以降について書いてきたいと思います。

英文を読む上では以下の二つがまず大切です。

  • 最初に出てきた名詞を主語として考える
  • 前置詞のついた名詞は主語になれない

まずは主語を探すことを意識して読み進めます。
しかし、今回は前文が「,」で終わっていますので前文とつながっていることがわかります。
そして、等位接続詞の「but」がきます。

等位接続詞がきたら「何と何をつないでいるのか」を判断する必要があります。
等位接続詞については、日々是英文解釈 No.3に書いていますので一度読んでみてください。

等位接続詞の後ろを見てみるとhowとなっています。
この段階で、「疑問文」もしくは「間接疑問文」と考えられます。
疑問文であれば後ろは疑問文の語順になっているので、do/does/did/助動詞などの語句が来るはずです。
間接疑問文であれば肯定文の語順になっているので主語となる名詞が来るはずです。

読み進めると、副詞のexactlyの後ろにthe presidentという名詞が来ていますので間接疑問文だと判断します。

この間接疑問文は名詞節ですので、この段階で「前文の目的語になる」か「新しい文の主語」になるかのどちらかです。
目的語であればbutは前文の目的語とつなぎ、主語であれば文をつないでいることになります。
今回は「間接疑問文が主語」であり「butは文をつないでいる」と考えて読み進めます。

更に読み進めると、動詞deliverの過去形であるdeliveredがきます。
そして、deliveredの後ろにthe linesという名詞が来ます。
今回も、the president is the linesでは意味のない文になってしまうのでthe linesは目的語と判断します。
ここまでをまとめると、「大統領はどのようにその言葉を読んだか」という意味になります。

そして、linesの後ろにisがきたことで、間接疑問文が主語であり、butは文をつないでいたという予想が正しかったことがわかります。

更に読み進めると、動詞loseの過去分詞形(または過去形)のlostが来ます。
過去分詞には次の4つの可能性があります。
見極め方については、日々是英文解釈 No.4を読んでみてください。

  • 過去分詞
    1 受動態(be動詞 + 過去分詞)
    2 完了形(have/has/had + 過去分詞)
    3 分詞
    4 分詞構文

今回はbe動詞であるisの後ろにあるので受動態と考えます。
そして最後に副詞であるforever(永遠に)があります。

よって、今回扱った部分の訳は「しかし、大統領がいったいどのように語ったのかは永遠にわからないままである。」ということになります。

  • <正解>
    それ以前は、誰かが話すのを聞くことはもっぱら生の経験でした.
    音が話す人の口から出てくる時に、耳を傾けていなければならなかった。蓄音機が発明されるより前の、エイブラハム・リンカーンのゲティスバークの演説のような偉大な演説の文章を読むことができる。しかし、大統領がいったいどのように語ったのかは永遠にわからないままである。

今回は前回の2019年大阪大学の入試問題の続きを扱いました。
間接疑問文は判断が難しい場合がありますので、しっかりと見つけられるようにしましょう。


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けど英文を読むことが出来ないという人は一度手に取ってみてください。

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オンライン塾経営者(大阪大学工学部出身の元開発技術者) 自身も家庭教師や塾講師として働きつつ、後輩の育成やオンライン塾を経営しています。 私自身も約10年にわたり家庭教師や塾講師として100人以上の受験生と向き合ってきました。 色々な学生、保護者の方とかかわる中でよく質問される内容や、受験に必要な内容について書いています。 独学で頑張っている人たちへ勉強計画や悩み相談なども受け付けていますので気軽にお問い合わせください。 就職活動や資格の勉強などで悩んでいる方もご連絡ください。 教育・就活、書籍、食べ歩きに関するお話がメインです。 最近取り組んでいること プログラミング、筋トレ、マラソン、ライティングスキル向上etc. 苦手なことを克服しようと頑張っています。