英文法

「~すること」だけが不定詞の意味ではない!不定詞の3つの用法を見分けよう!

学生
学生
不定詞の三用法って何?それぞれどう見極めたらいいの?
先生
先生
不定詞は「to 動詞の原形」の形をしているから比較的見かけやすい。
けど、どれがどの用法かはなかなか見極められずに困っている人が多い。
見極め方についても勉強してみよう。
<この記事でわかること>

・不定詞の基本構造
・不定詞の3つの用法の意味
・不定詞の3つの用法の見分け方

不定詞は「~すること」だけじゃない

英語を学ぶ際に、不定詞は「~すること」「~するための」と訳しておけばいいと考える人が多いです。
不定詞の訳し方を間違えて減点されてしまうことはよくあります。
不定詞がどういった用法で使われているのかを判断できるようにしてください。

不定詞の基本構造

不定詞は、前置詞のtoと動詞の原形を合わせた形をしています。
そして、不定詞には「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」の3つの用法があります。
非常にシンプルな形をしているので不定詞であることはすぐにわかります。
しかし、その不定詞がどういった用法であるのかを見極めるのはしっかりと文章を理解する必要があります。
不定詞の訳し方が間違っていて減点されることはよくあります。
それぞれどういった働きがあるのかを見ていきましょう。

名詞的用法

不定詞は「名詞と同じ働きをする」ことができます。
この名詞的用法として不定詞が使われている際に「~すること」と訳すことができます。
名詞と同じ働きをすることから、文中で主語(S)、目的語(O)、補語(C)になることが出来ます。
しかし、不定詞を前置詞の後ろの目的語として使うことはできないので注意してください。

不定詞が主語の働きをする

不定詞の名詞的用法は「名詞と同じ働きをする」ため主語として使うことができます。

<例文1>
English is interesting.
(英語は面白い。)

<例文1>は、第2文型の文で英語は面白いという意味になります。
しかし、これだけでは英語が面白いのはわかりますが、英語を「話す」のが面白いのか「勉強する」のが面白いのかがわかりません。
そこで用いるのが、不定詞です。

<例文2>
To learn English is interesting.
(英語を学ぶことは面白い。)

To learn English(英語を学ぶこと)が文の主語として使われています。
しかし、不定詞が主語になるとき<例文2>の形よりも次の<例文3>の形で使われることが多いです。

<例文3>
It is interesting to learn English.
(英語を学ぶことは面白い。)

<例文3>は、形式主語(仮主語)のitを使った構文です。
形式主語itは主語の代わりに置かれ、後ろに真主語であるto learn Englishを置きます。

ではなぜ形式主語を用いるのでしょうか。

英語では結論を先に述べる文が多いです。
「今日は雨が降りそうだから傘を持って行ったほうが良いよ。」ではなく、「傘を持って行ったほうが良いよ。今日は雨が降りそうだからね」と表現することが多いです。
論文なども、まずは結論を述べその理由を後から説明します。

<例文3>も、まず「面白いんです。英語を学ぶことは」といったように結論を先に述べています。

不定詞が目的語の働きをする

続いて、不定詞が目的語として働く時の話をします。

<例文4>
I liked to play tennis.
(私はテニスをすることが好きです。)

<例文4>は、不定詞のto play tennisが第3文型(SVO)の目的語の働きをしています。
ただし、不定詞が第5文型(SVOC)の目的語に使われる場合は注意が必要です。

<例文5>
I found it difficult to read this book.
(私はこの本を読むことは難しいとわかった。)

<例文5>のitは形式目的語と言い、形式主語の場合と同じで不定詞の代わりに置かれています。
まず「私は難しいと分かったんです」と相手に伝え、「この本を読むことはね」と中身を伝えています。
不定詞が主語になる場合は、<例文2>のように形式主語を用いなくても文法的に間違いではありません。
しかし、第5文型の目的語に使われる場合は必ず形式目的語を使う必要があります。
つまり、「I found to read this book difficult.」は間違った文ということになります。

不定詞が補語の働きをする

最後に名詞的用法が補語の働きをする例を見てみましょう。

<例文6>
My dream is to go abroad.
(私の夢は海外に行くことです。)

<例文6>のように、不定詞は補語にもなることができます。

前置詞の目的語に不定詞は使えない

ここまで学んできたように不定詞は名詞の働きをすることが可能です。
しかし、「前置詞 + 名詞」の名詞の代わりに不定詞を使うことはできません。
その場合は、後で学ぶ動名詞を使うようにしてください。

形容詞的用法

通常の形容詞は、a easy bookのように名詞を前から修飾します。

しかし、不定詞を形容詞的に使う場合は必ず名詞の後ろに置かれます。

<例文7>
I want something to drink.
(私は何か飲み物が欲しいです。)

この文のように、somethingを後ろから修飾し「何か飲むためのもの」という意味になります.

不定詞の英文を訳してもらうと、なんでもかんでも形容詞的に訳すことが多いです。
不定詞が形容詞的に働く場合にはルールがあります。
そのルールについて見ていきましょう。

名詞が意味上の主語になる

不定詞は、修飾する名詞が意味上の主語として働くとき形容詞的用法として使うことができます。

<例文7>
Tom was the first student to solve this problem.
(トムはこの問題を解いた最初の生徒です。)

<例文7>の不定詞の直前の名詞(the first student)を不定詞の主語として文を作ってみましょう。

<例文7>
Tom was the first student to solve this problem.
⇒ The first student solved this problem.

主語として作った文は、「最初の生徒がこの問題を解いた」という意味のある文になりました。
このように修飾する名詞が不定詞の主語になっている場合は形容詞的用法となることが可能です。

名詞が意味上の目的語になる

直前の名詞が意味上の目的語になるときも不定詞を形容詞的に使うことが可能です。

<例文8>
I have a lot of homework to do today.
(私は今日しなければいけない宿題がたくさんあります。)

<例文7>のように、a lot of homeworkを主語としてみましょう。

A lot of homework do.
(たくさんの宿題がします。)

たくさんの宿題がなにかをするわけはないので、この文は意味のない文になります。
そこで、不定詞の目的語として文を作ってみましょう。

Do a lot of homework.
(今日たくさんの宿題をしなさい。)

修飾する名詞を目的語に置くと、「宿題をしなさい」という意味のある文になりました。
このように修飾する名詞が意味上の目的語として働く際も形容詞的に不定詞をつかうことができます。

名詞が前置詞の目的語になる

さきほど修飾する名詞が目的語として働く際に不定詞は形容詞的に使うことができると書きました。

<例文8>
She wants many friends to play with.
(彼女は一緒に遊ぶ友達を欲しがっています。)

<例文7>では不定詞に使われている動詞の目的語になっていましたが、<例文8>では動詞の後ろの前置詞の目的語になっています。
この場合も不定詞を形容詞的に使うことが可能です。
前置詞がない場合は間違いということになります。

同格

最も判断が難しいのが不定詞が同格として働くときです。

<例文9>
I agreed to his plan to go shopping.
(私は彼の買い物に行くという計画に同意しました。)

<例題9>では、his planの内容が to go shoppingになっています。
このように、前の名詞を後ろから説明している場合も形容詞的に不定詞を用いることが可能です。

副詞的用法

不定詞の3つの用法の最後の一つが副詞的用法になります。
副詞的用法には、大きく分けて「目的」「原因・理由」「結果」「判断の根拠」の4つがあります。
この中でも、「目的」「結果」の判断を間違える人が多いです。
「目的」「結果」の判断は文脈から判断しなければいけません。
内容をしっかり理解して判断するようにしてください。

目的

まずは目的の意味を持つ副詞的用法から見ていきましょう。

<例文10>
My brother studies English (in order) to go abroad.
(私の兄は海外に行くために、英語を勉強しています。」

<例文10>のように不定詞は、「~するために」という意味を表すことがあります。
このとき、目的の意味をはっきりと示すためにin order to/ so as toを用いることがあります。
in ordet to / so as toがないときは後で説明する「結果」かどうかを判断する必要があります。

原因・理由

続いて、原因・理由の意味を持つ場合を見てみましょう。
原因・結果を表す不定詞は、感情を表す形容詞の直後に置かれることが多いです。
ですので、感情を表す形容詞があれば「原因・結果」と判断するようにしてください。

<例文11>
I am very glad to see you again.
「私はあなたに会えてとてもうれしいです。」

<例文11>では、glad(うれしい)という形容詞が用いられています。
このことから、to see you againは理由ということになります。
あなたに会えた(to see you again)のでうれしいという意味になります。

結果

副詞的用法の3つ目の意味が、「結果」になります。
この結果は、先ほどの「目的」と間違える人が多いので気をつけるようにしてください。

<例文12>
He grew up to become a great scientist.
「彼は成長して偉大な科学者になった。」

<例文12>は、成長した結果として偉大な科学者となったのであって、偉大な科学者になるために成長したわけではありません。
この例文は、判断が簡単なのでいいですが、難しい英文になると判断が難しくなります。
正しく英文を読めているかを確認しやすいため、問題になることがありますので気をつけてください。

判断の根拠

副詞的用法の最後の意味が、「判断の根拠」になります。

<例文13>
He is kind to help me.
(私を助けてくれるなんて彼は親切です。)

<例文13>では、彼が親切であると判断した根拠を不定詞が示しています。
このように前で述べたことの根拠を後ろから説明する不定詞があるということを知っておいてください。

不定詞の見分け方

ここまで、不定詞の「名詞的用法」「形容詞的用法」「副詞的用法」の3つの用法について書いてきました。
3つの方法ではそれぞれ働きや意味が異なります。
ですので、不定詞を見た時に3つの用法のどれなのかを判断することが大切になります。
最後に、次の例文を使って不定詞の用法の見分け方を書きたいと思います。

<例文14>
(1) To learn English is interesting.
(2) Tom was the first student to solve this problem.
(3) My brother studies Englash to go abroad.

  • ①不定詞の部分を消去する
    不定詞の部分を消去して、文として成り立っていなければ名詞的用法、成り立っていれば形容詞または副詞的用法と判断します。

<例文14>の(1)は、To learn Englishの部分を消去すると主語になる語句がなくなり文として成立しません。
しかし、(2)(3)は不定詞の部分を消去しても文の要素が揃っており文て押して成立しています。
よって、(1)は名詞的用法、(2)(3)は形容詞または副詞的用法と判断します。

  • ②形容詞的用法かを確認する
    形容詞的用法の所で説明したように修飾する名詞が、不定詞の主語、目的語、前置詞の目的語、同格になっているかを確認します。

まず、(2)は不定詞の前の名詞the first studentが、solve this problemの主語になっているので形容詞的用法と判断します。
そして、(3)は不定詞の前の名詞Englishがgo abroadの主語・目的語・前置詞の目的語・同格のいずれでもないので副詞的用法と判断します。

  • ③ いずれにも当てはまらない場合は副詞的用法と判断します。

(3)は、海外に行くために英語を勉強しているという意味になると判断できるので目的の副詞的用法とわかります。

まとめ


今回は高校生向けに不定詞の内容を書きました。
不定詞の用法を間違えて大幅に減点されたり意味を取り違えてしまうことが多いです。
しっかりと見極め方まで理解しておきましょう。
中学生に向けた不定詞の内容についても今後書いていきたいと思います。

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オンライン塾経営者(大阪大学工学部出身の元開発技術者) 自身も家庭教師や塾講師として働きつつ、後輩の育成やオンライン塾を経営しています。 私自身も約10年にわたり家庭教師や塾講師として100人以上の受験生と向き合ってきました。 色々な学生、保護者の方とかかわる中でよく質問される内容や、受験に必要な内容について書いています。 独学で頑張っている人たちへ勉強計画や悩み相談なども受け付けていますので気軽にお問い合わせください。 就職活動や資格の勉強などで悩んでいる方もご連絡ください。 教育・就活、書籍、食べ歩きに関するお話がメインです。 最近取り組んでいること プログラミング、筋トレ、マラソン、ライティングスキル向上etc. 苦手なことを克服しようと頑張っています。