日々是英文法

【日々是英文法】1日1個英文法を解いてみる No.46

日々是英文法 No.46

大学入試問題やTOEIC等の文法をほぼ毎日1問ずつ解説していきます。
たった1問でも毎日続ければ365問です。
大学入試を乗り越えるためには365問だけではもちろん足りません。
しかし、毎日少しでも英語に触れること、そしてそれを確実に覚える習慣を身につけることはとても大切なことです。

是非毎日覗いてみてください。

  • 次の問いの( )の中に入れるのに最も適当なものを、1~4の中から選びなさい。
    The students were made (  ) home early because of the approaching storm.
    1 return
    2 returned
    3 returning
    4 to return

この問題は、2012年近畿大学の問題です。
受験生であれば、10秒以内に解いて欲しい問題です。

使役動詞

今回の問題を解くポイントになるのは、「使役動詞」です。
使役動詞とは、人や物に何かを「させる」「してもらう」という意味の動詞です。
使役動詞にはmake, have, letの3種類あります。
また、使役動詞ではありませんがgetも「~させる」「~してもらう」の意味に用いることができます。
それぞれについて見ていきましょう。

  • 使役動詞:make, have, let

make

使役動詞のmakeには、いやなことであっても無理やりにでも何かをさせるという強制のニュアンスがあります。

次の例文を見てください。

<例文1>
She made her daughters wash the dishes.
(彼女は娘たちにお皿を洗わせた。)

<例文1>は、主語であるSheが動作の主体者ですが、お皿を洗うのは娘です。
このように主語が誰かに~をさせるという意味を持つ動詞を使役動詞と言います。
makeを用いる場合は、強制してでもやらせるという意味になります。
また使役動詞のポイントは、目的語の後ろに動詞の原形(原形不定詞)を用いる事です。
daughtersの後ろの動詞に原形になっていますがこれで間違いではないので注意してください。

  • make + O + 原形不定詞(動詞の原形):(強制的に)~させる

have

使役動詞の2つ目はhaveです。
haveは、makeと異なり「やって当たり前のことをしてもらう」ニュアンスになります。

<例文2>
She had her daughters wash the dishes.
(彼女は娘たちにお皿を洗ってもらった。)

<例文2>は<例文1>とは異なりhaveを使っているため娘たちがお皿を洗うのは当然の事として扱われています。
そのため訳も「~してもらう」とするほうが自然です。
haveについても、後ろに不定詞を置く際は原形不定詞になるので注意してください。
また、この場合娘たちがお皿を洗うという能動の関係があります。

  • have + O + 原形不定詞(動詞の原形):(当然のことを)~してもらう

have + O + 過去分詞

haveの後ろは必ず動詞の原形がくるわけではありません。
have は目的語の後ろに過去分詞を置くことでも「~してもらう」という使役の意味を表します。
また、「~される」という被害の意味を表す際にもhaveを用いることがあります。

<例文3>
(1) He had the dishes washed.
彼はお皿を洗ってもらった。
(2) He had his bag stolen.
彼はかばんを盗まれた。

<例文3>の(1)は<例文2>と違い目的語の後ろが過去分詞になっています。
先ほどとの違いは、お皿は洗われるという受動態の関係になっています。

同じように(2)もhis bagの後ろに過去分詞が来ています。
そして、カバンが盗まれると受動態の関係になっています。
しかし、「かばんを盗んでもらう」という意味ではおかしいので「かばんを盗まれた」という被害の意味になります。
have + O + 過去分詞には、「~してもらう」という使役だけでなく、「~される」という被害の意味にもなることを覚えておいてください。

  • have + O + 過去分詞:「~してもらう」「~される」

let

最後の使役動詞はletです。
letには本人がしたいことを「させる」という許可のニュアンスがあります。

<例文4>
She let her daghters go there.
彼女は娘たちをそこに行かせた(行かせてあげた)

<例文4>では、娘たちがそこに行きたがっていたのを許可してあげたというニュアンスになります。
makeやhaveよりも強制力が小さいと覚えておいてください。
letもmakeやhaveと同様、目的語の後ろに原形不定詞が来ます。

  • let + O + 原形不定詞(動詞の原形):「~させる(~することを許可する)」

get

getは使役動詞ではないのですが、get + O + 不定詞の形で「Oに~させる」という意味になります。
getはだいたいhavetと同じくらいの強制度だと思ってください、
make, have, letとの違いは目的語の後ろに不定詞がくることです。

<例文4>
She got her daughters to wash the dishes.
彼女は娘たちにお皿を洗ってもらった。

getを使役の意味で用いる際は、目的語の後ろに不定詞を置きます。
<例文4>では、お願いをしてお皿を洗ってもらういうニュアンスになります。

使役動詞の受動態

使役動詞を受動態に変形する際に注意すべきことがあります。
それは、原形不定詞を不定詞に変形することです。

<例文5>
能動態:She made her daughters wash the dishes
受動態:Her daughters were made to wash the dishes by her.

ここまで、make, have, letを用いる際に目的語の後ろには原形不定詞を用いると書きました。
しかし、受動態にすると際に原形不定詞ではなくtoを入れて不定詞にする必要があります。
受動態にすると動詞はbe動詞になるので原形不定詞を用いることができないと覚えてください。

受動態については、受動態(受け身)の構造から作り方までを解説!これだけ抑えれば受動態は完璧!を読んでみてください。

今回の問題の解き方と解答

今回の問題では、(  )の前がwere madeと受動態になっています。
そして選択肢をみて4 to returnが正解ではないかと疑ってほしいところです。
文の後半を見てみると、because of the approaching storm(嵐が近づいているので)とあることから生徒たちが家にはやく帰らされたという内容になることがわかります。
ですので、使役動詞makeの受動態であると判断し4 to returanが正解だと判断します。

  • <正解>
    4 to return
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オンライン塾経営者(大阪大学工学部出身の元開発技術者) 自身も家庭教師や塾講師として働きつつ、後輩の育成やオンライン塾を経営しています。 私自身も約10年にわたり家庭教師や塾講師として100人以上の受験生と向き合ってきました。 色々な学生、保護者の方とかかわる中でよく質問される内容や、受験に必要な内容について書いています。 独学で頑張っている人たちへ勉強計画や悩み相談なども受け付けていますので気軽にお問い合わせください。 就職活動や資格の勉強などで悩んでいる方もご連絡ください。 教育・就活、書籍、食べ歩きに関するお話がメインです。 最近取り組んでいること プログラミング、筋トレ、マラソン、ライティングスキル向上etc. 苦手なことを克服しようと頑張っています。