英文法

3用法以外の不定詞:否定形・完了形・受動形・原形不定詞・be to 不定詞

学生
学生
不定詞って3用法さえわかればいいの?
先生
先生
不定詞は「3用法」以外にも大切な用法があります。
今回は3用法以外の用法について勉強してみよう。
<この記事でわかること>

・3用法(名詞的・形容詞的・副詞的用法)以外の不定詞

不定詞は3用法だけではない

中学校で初めに習う不定詞は、「名詞的用法」「副詞的用法」「形容詞的用法」の3つになります。
色々な学校で覚えさせられることもあり、あなたも不定詞=3用法と考えていませんか?

不定詞には3用法以外にも用法があります。
それらについて、このページではまとめてあります。

S+V+O+to 動詞の原形

不定詞は、目的語の後ろに置かれて「Oが~することをVする」という意味になることがあります。

<例文1>
My mother wants me to study hard. 
「私の母は、私に一生懸命勉強してほしい。」

<例文2>
My mother wants to study hard.
「私の母は、一生懸命勉強したい。」

<例文1>と<例文2>の違いは、動詞wantsの後にmeという目的語があるかないかです。
これにより、<例文1>では「私に」勉強してほしいのに対して<例文2>では勉強するのは母親になります。

このように、目的語の後ろの不定詞を置くことで「Oに~するようにVする」という意味を取ることがあります。

S+V+O+to不定詞の形をとる動詞はこちら↓

want+O+to V:「Oに~してほしい」
tell+O+to V:「Oに~するように言う」
ask+O+to V:「Oに~するように頼む」

否定形の不定詞:not to 動詞の原形

不定詞には、「否定形」と呼ばれる用法があります。

不定詞の否定形:not/never to 動詞の原形

<例文3>
(1) My mother told me not to eat too much.
私の母は、私に食べすぎないように言った。

(2) My mother didn’t tell me to eat too mach.
私の母は私に食べ過ぎろとは言わなかった。

<例文3>の(1)では、notはto eat too muchを否定しており、「食べ過ぎない」ように言ったことになります。

一方(2)では、notはtellを否定しているので、食べ過ぎろとは「言わなかった」という意味になります。
英作などする際に間違えないように気をつけてください。

受動態の不定詞:to be 過去分詞

受動態の不定詞は、to be 過去分詞の形をしています。
「to be」の部分が不定詞(to 動詞の原形)、「be 過去分詞」が受動態の形になっています。

先生
先生
「to be」の部分が不定詞(to 動詞の原形)、「be 過去分詞」が受動態を表しているんだ。
受動態の不定詞:to be 過去分詞

<例文3>
(1) I don’t want to be scolded.
 私は、叱られたくない。

(2) I don’t want to scolded.
 私は、叱りたくない。

(1)では、私が欲しくないのは「叱られること」です。

一方、(2)では、「叱こと」をしたくないと言うことになります。

このように不定詞には受動態の形もあるので覚えておきましょう。

不定詞の進行形:to be ~ing

受動態の不定詞は、to + be + ~ingの形をしています。
「to be」の部分が不定詞(to 動詞の原形)、「be ~ing」が進行形になっています。

先生
先生
「to be」の部分が不定詞(to 動詞の原形)、「be ~ing」が進行形を表しているんだ。

You seem to be getting well.

<例文5>
You seem to be getting well.
あなたは、だんだん良くなっているように見えます。

<例題5>では、「(病気など)が良くなりつつある(なっている途中)」ように見えるという意味になります。

動作が進行中であることを表す進行形の意味を、不定詞がもつことになります。

不定詞の完了形:to have 過去分詞

不定詞の完了形は、to have 過去分詞の形をしています。
「to be」の部分が不定詞(to 動詞の原形)、「have 過去分詞」が完了形になっています。

不定詞の完了形:to have 過去分詞

しかし、この不定詞の完了形には「完了」の意味はなく、時制をずらす目的で用いられます。

先生
先生
「to be」の部分が不定詞(to 動詞の原形)、「have 過去分詞」が完了形を表している。
けど、「完了」の意味はなく、単に時制をずらす目的でつかわれるんだ。

次の<例文6>を見てください。

<例文6>
(1) He seems to be ill. = It seems that he is ill
彼は病気のように見えます。

(2) He seems to have been ill = It seems that he was (has been) ill
 彼は病気だったように見えます。

(3) He seemed to be ill = It seemed that he was ill.
 彼は病気のように見えました。

(4) He seemed to have been ill = It seemed that he had been ill.
 彼は病気だったように見えました。

それぞれ訳だけを見るとよくわからないので、時間軸で考えてみましょう。

(1)は動詞が「seems」と現在形であり、不定詞も「to be ill」と通常の形です。
このことから、「彼は(現在)病気のように(現在)見えます。」となります。

(2)は動詞は(1)と同様に現在形ですが、不定詞が「to have been ill」と完了形の形になっています。
この例文は、「彼は(過去)病気だったように(現在)見えます。」という意味になります。

(3)は(1)の動詞を「seemed」と過去形にした文になります。
不定詞が「to be ill」であることから、「彼は(過去)病気だったように(過去)見えました。」という意味になります。
この例文では、見えていいる時と病気である時が同じであることになります。

(4)は(2)の動詞を「seemed」と過去形にした文になります。
(3)とは異なり、不定詞が「to have been ill」と完了形の形になっています。
このことから、「彼は(過去より以前に)病気だったように(過去)見えます。」という意味になります。

このように、不定詞の完了形は動詞より時制をずらす役割があります。

原形不定詞

不定詞には、原形不定詞と言われる「to」のない不定詞があります。
ただし、この原形不定詞が使われるのは動詞に「知覚動詞」「使役動詞」「help」が使われる場合です。

知覚動詞+O+原形不定詞

知覚動詞とは、see, feel, hearなど「見る、聞く、感じる」のような知覚を表す動詞です。
この知覚動詞が用いらられるときは、不定詞として原形不定詞が用いられます。

<例文7>
she saw him come out of the room
彼女は彼が部屋をでるのを見た。

<例文7>は、主語であるSheが動作の主体者ですが、部屋を出たのは彼です。
このように知覚動詞の場合は、目的語の後ろに動詞の原形(原形不定詞)を用います。

himの後ろに、動詞に原形がありますがこれで間違いではないので注意してください。

使役動詞+O+原形不定詞

使役動詞とは、「主語が誰かに~をさせる」という意味を持ち、make, have, letの3つあります。
この使役動詞を用いる際も、原形不定詞(toのない不定詞)を用います。

使役動詞:make, have, let

make

使役動詞のmakeには、いやなことであっても無理やりにでも何かをさせるという強制のニュアンスがあります。

次の例文を見てください。

<例文8>
She made her daughters wash the dishes.
(彼女は娘たちにお皿を洗わせた。)

<例文8>は、主語であるSheが動作の主体者ですが、お皿を洗うのは娘です。

makeを用いる場合は、強制してでもやらせるという意味になります。
また使役動詞のポイントは、目的語の後ろに動詞の原形(原形不定詞)を用いる事です。
daughtersの後ろの動詞に原形になっていますがこれで間違いではないので注意してください。

have

使役動詞の2つ目はhaveです。
haveは、makeと異なり「やって当たり前のことをしてもらう」ニュアンスになります。

<例文9>
She had her daughters wash the dishes.
(彼女は娘たちにお皿を洗ってもらった。)

<例文2>は<例文1>とは異なりhaveを使っているため娘たちがお皿を洗うのは当然の事として扱われています。
そのため訳も「~してもらう」とするほうが自然です。
haveについても、後ろに不定詞を置く際は原形不定詞になるので注意してください。
また、この場合娘たちがお皿を洗うという能動の関係があります。

let

最後の使役動詞はletです。
letには本人がしたいことを「させる」という許可のニュアンスがあります。

<例文10>
She let her daghters go there.
彼女は娘たちをそこに行かせた(行かせてあげた)

<例文10>では、娘たちがそこに行きたがっていたのを許可してあげたというニュアンスになります。
makeやhaveよりも強制力が小さいと覚えておいてください。
letもmakeやhaveと同様、目的語の後ろに原形不定詞が来ます。

make + O + 原形不定詞(動詞の原形):(強制的に)~させる
have + O + 原形不定詞(動詞の原形):(当然のことを)~してもらう
let + O + 原形不定詞(動詞の原形):「~させる(~することを許可する)」

help + O + 原形不定詞

動詞のhelpの場合も原形不定詞を使うことがあります。
知覚動詞や使役動詞を用いる場合は必ず原形不定詞を使いますが、helpの場合は原形不定詞を用いることあります。

<例文11>
I helped my mother (to) wash the dishes.
私は、母がお皿を洗うのを手伝いました。

helpを用いる場合も、知覚動詞や使役同士のように「目的語(今回はmy mother)が」何かをするのを手伝うという意味になります。

ただ、<例文11>のように、helpの場合はtoがある場合とない場合のどちらもあります。
文章中に出てきた際に驚かない様に気をつけてください。

<参考>知覚動詞、使役動詞の受動態

知覚動詞や使役動詞を受動態に変形する際に注意すべきことがあります。
それは、原形不定詞を不定詞に変形することです。

<例文5>
能動態:She made her daughters wash the dishes
受動態:Her daughters were made to wash the dishes by her.

ここまで、知覚動詞や使役動詞(make, have, let)を用いる際に目的語の後ろには原形不定詞を用いると書きました。

しかし、受動態にすると際に原形不定詞ではなくtoを入れて不定詞にする必要があります。

受動態にすると動詞はbe動詞になるので原形不定詞を用いることができないと覚えてください。

受動態については、受動態(受け身)の構造から作り方までを解説!これだけ抑えれば受動態は完璧!を読んでみてください。


今回は不定詞の基本3用法以外の用法について書きました。
不定詞は長文などでもよく出てきます。
ここでしっかりと理解しておいてください。

ABOUT ME
GoodAmbition
オンライン塾経営者(大阪大学工学部出身の元開発技術者) 自身も家庭教師や塾講師として働きつつ、後輩の育成やオンライン塾を経営しています。 私自身も約10年にわたり家庭教師や塾講師として100人以上の受験生と向き合ってきました。 色々な学生、保護者の方とかかわる中でよく質問される内容や、受験に必要な内容について書いています。 独学で頑張っている人たちへ勉強計画や悩み相談なども受け付けていますので気軽にお問い合わせください。 就職活動や資格の勉強などで悩んでいる方もご連絡ください。 教育・就活、書籍、食べ歩きに関するお話がメインです。 最近取り組んでいること プログラミング、筋トレ、マラソン、ライティングスキル向上etc. 苦手なことを克服しようと頑張っています。